【2025年】おすすめVTuber事務所15選!特徴や選び方・入り方まで解説
「VTuberとして活動してみたいけれど、どの事務所が自分に合っているのかわからない」
そんな思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。
VTuber事務所にはそれぞれ方向性やサポート体制の違いがあり、実績のある大手から、個性重視の新設プロジェクトまで選択肢はさまざまです。知名度や規模だけでなく、「どんな活動がしたいか」「どんな環境が合っているか」を見極めることが、長く楽しく続けるうえで重要になります。
この記事では、2025年時点で注目すべきVTuber事務所を15社厳選し、それぞれの特徴や強み、向いているタイプまでわかりやすく紹介します。
目次
注目のおすすめ新設VTuber事務所4選
ここでは、近年新たに立ち上がり、独自の世界観や育成方針で注目を集めている新設VTuber事務所を紹介します。活動開始から間もないながらも、すでに魅力的なタレントを輩出している期待のプロジェクトをピックアップしました。
超渋谷計画(SUPER SHIBUYA PROJECT)

「超渋谷計画」は、2025年に始動した新進気鋭のVTuberプロダクションです。拠点となる渋谷という土地が持つ“若者文化・音楽・ストリートカルチャー”などのエッセンスを土台にしながら、その枠にとらわれない「次世代型のバーチャルタレント活動」を目指して立ち上げられました。
国内最大級のマーケティング会社が手がける新設VTuberプロダクションとして、今注目を集めています。インフルエンサー事務所としてTikTokやYouTubeで人気なタレントをマネジメントしている同社が持つ、ゼロからタレントをスターにするノウハウが強みです。
タレント自身の意向や挑戦を尊重したマネジメント方針が取られており、専属マネージャーによる充実したサポート体制も魅力のひとつ。公式YouTubeチャンネルでの企画配信などではメンバー同士の仲の良さが際立ち、ハコ推しのファンも多く獲得しています。
所属しているタレントはいずれもハイクオリティなビジュアルで、手厚いバックアップと活動の幅広さ求める方に特におすすめな事務所です。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社Greed |
設立年 | 2025年 |
主な所属タレント | 墓無ゆらぎ、甘ノ羽ころも、天泣ティア |
ぶいわんproduction

「ぶいわんproduction」は、2024年に株式会社ワンコネクトが設立したVTuber専用の新設事務所です。これまでリアルのタレントやアイドル、バンドなど幅広いジャンルのアーティストをマネジメントしてきた実績を持つ同社が、培ってきた音楽制作や動画プロデュースのノウハウをバーチャルの分野に展開するかたちで立ち上げられました。
大きな強みは、音楽活動に特化した育成・支援体制にあります。ボーカルレッスン、楽曲提供、MIXや映像制作のサポートまで、デビューから配信、収益化に至るまでを一貫して支える環境が整っており、特に「歌ってみた」や「オリジナル楽曲」の発信を軸にしたいVTuber志望者には相性が良い事務所です。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社ワンコネクト |
設立年 | 2024年(VTuber事業として「ぶいわんproduction」を新設) |
主な所属タレント | 僕には通じない、MOFUTTO MATE、黒曜日(※VTuber部門以外も含む) |
ARAZAWA

2025年に始動した新VTuber事務所「ARAWAZA」は、タレント一人ひとりの個性を“荒技”として打ち出し、エンターテイメントとして昇華させることをコンセプトに掲げています。
事務所名やロゴには、無数の個性(星)をつなぎ、新たな星座(価値)を描くという想いが込められており、独自の表現力を重視した育成方針が特徴です。
初期メンバーとしてデビューした4名は、それぞれ歌唱・ダンス・MC・ギター演奏など異なる分野での夢やスキルを持ち、リレー形式の初配信でその魅力をアピール。今後の活動展開にも注目が集まっています。
項目 | 内容 |
運営会社 | ARAWAZA運営チーム(法人名は現時点で非公開) |
設立年 | 2025年 |
主な所属タレント | 月草かなで、夕雷くれな、影沼あげは、冬萌ここな |
アニソフィア

「アニソフィア」は、日本が誇るアニメ・アニソン・ボカロ・ゲーム・イラストなどのカルチャーを融合させ、バーチャルの世界からグローバルに発信する次世代VTuberプロジェクトです。
名前には「アニメ」「アニソン」「ソフトウェア」「ソフィア(叡智)」といったキーワードが込められており、IPビジネスとしての展開にも本気で取り組む、知性と創造性を兼ね備えたプロジェクトとして注目を集めています。
VTuberが“生きたIP”として、2次元・2.5次元・3次元を自由に行き来する存在になることを目指し、バーチャル学園やスタジオといった仮想空間の舞台設定も導入。
妖怪や宇宙人、アニマルキャラなどの個性豊かなキャラクターが所属する「アニソフィア学園」、世界水準のアーティストを目指す「アニソフィアスタジオ」といった独自の世界観を構築しています。
人気VTuberのママとして知られるイラストレーターや有力ボカロP・MIXエンジニアの参加など、クリエイター陣も豪華で、音楽・映像・教育の各方面からも話題性の高い事務所です。
項目 | 内容 |
運営会社 | アニソフィア株式会社(Anisophia Co., Ltd.) |
設立年 | 2024年 |
主な所属タレント | 桜葉まあや、葉室みれい(いずれも2025年本格デビュー予定) |
中堅VTuber事務所6選
続いて紹介するのは、デビューから数年が経過し、安定した活動とファンベースを持つ中堅VTuber事務所です。多様なジャンルの配信スタイルや、独自の企画・世界観を武器に、今なお成長を続けている実力派の事務所を厳選しました。
あおぎり高校

「あおぎり高校」は、架空の都内に存在するバーチャル学園を舞台としたVTuberプロジェクトです。モットーは「おもしろければ何でもあり」。型にはまらない個性豊かなメンバーたちが、それぞれの“好き”を突き詰めて自由に活動するスタイルが最大の魅力です。
メンバーは高校生キャラに限らず、年齢や種族すらも多様で、「高校」という設定にとらわれずVTuberとしての表現を追求。コメディ・歌・ゲーム実況・企画配信など、ジャンルにとらわれない多彩な活動を展開しています。
近年では大手事務所との提携や卒業生の登場など、組織としての進化も見せており、エンタメ性と自主性のバランスが取れた稀有なプロジェクトとして注目を集め続けています。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社Brave group(旧:株式会社クリエイトリング) |
設立年 | 2018年(プロジェクト自体は2019年ごろ始動) |
主な所属タレント | 音霊魂子、石狩あかり、栗駒こまる、山黒音玄、千代浦蝶美、我部りえる、エトラ ほか |
Neo-Porte

「Neo-Porte(ネオポルテ)」は、「もしもデジタルの世界へ行けたら」という仮定を現実にし、夢を叶える場を創出するVTuberプロジェクトです。
活動内容はVTuberという枠にとどまらず、ストリーマーとしての配信、アーティストとしての楽曲制作、クリエイターとしての創作など、多方面での自己表現を支援。まさに“次世代型ハイブリッドVTuber事務所”として注目されています。
運営メンバーには、人気VTuber「渋谷ハル」、esportsチーム「CrazyRaccoon」、音楽クリエイターの「まふまふ」「そらる」といった強力なバックアップ陣が参加。ストリーマー文化や音楽カルチャーとの融合によって、唯一無二のVTuber育成・発信体制が整えられています。
これまでに複数回のオーディションを開催し、所属タレントはトーク・歌・ゲーム配信など多彩な分野で活躍中。世界観と実績の両面から、VTuber志望者やファンからの支持を集め続けています。
項目 | 内容 |
運営会社 | Neo-Porte実行委員会(渋谷ハル、CrazyRaccoon、まふまふ、そらる ほか) |
設立年 | 2021年 |
主な所属タレント | 緋月ゆい、夜絆ニウ、白雪レイド、凪夢夛、或世イヌ、天帝フォルテ ほか |
星めぐり学園

「星めぐり学園」は、「自分らしく生きること」を大切にし、ライバーの個性を尊重した活動支援を行うVTuberグループです。型にはまらない自由な表現スタイルと、固定観念に縛られない多彩なライバー陣が魅力で、ファンにとっても発見と驚きに満ちたコンテンツを日々届けています。
「学園」という名を冠しながらも、所属タレントの年齢・背景・世界観は実に多様。配信ジャンルも雑談・ゲーム・音楽・演技・ASMRなど多岐にわたります。
公式イベントとして、デジタルフラワースタンド企画やオーディションの開催なども定期的に実施され、ファンとライバーが双方向に関わりながら成長できる土壌が整っています。
項目 | 内容 |
運営会社 | ラファクト株式会社 |
設立年 | 2020年 |
主な所属タレント | 帝、神乃ひかり、餅々さくら、伊織ねめあ、魔昏るい、碧衣ヘル、勝気シャクナ ほか |
ミリプロ

「ミリプロ(Million Production)」は、2023年4月1日に設立された新進気鋭のVTuber事務所で、創設メンバーには人気VTuber「甘狼このみ」が名を連ねています。
事務所名に含まれる「Million」には、無数の才能が活躍する場をつくりたいという想いが込められており、クリエイターの視点を大切にしながらタレントの飛躍を支援しています。
所属タレントは、歌・配信・創作・世界観づくりに強みを持つ個性派が揃っており、0期生から新メンバーに至るまで、一貫したプロデュースとブランディングによって活動の幅を広げています。
「タレントがクリエイターでもある」この方針により、従来の事務所とは異なる自由なスタイルが魅力となっています。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社Million Production |
設立年 | 2023年 |
主な所属タレント | 甘狼このみ、音ノ乃のの、あくび・でもんすぺーど、音ノ瀬らこ、ゆらぎゆら、小廻こま、雨夜リズ、眠雲ツクリ |
Balus

「Balus」は、VTuber・音楽ユニット・映画アンバサダーといった多彩なバーチャルタレントを擁し、バーチャル×リアルの境界を越えたエンターテインメントを展開するプロダクションです。
「誰もが自分の才能で生きていける社会をつくる」というビジョンのもと、VTuberやアーティストが自分らしい創造活動を発信できる土壌を整え、映像・音楽・xRライブまでを一貫して手がけられる体制を備えています。
特に「MonsterZ MATE」や「銀河アリス」、「夜子・バーバンク」など個性豊かなタレントを擁し、ライブや映画館とのコラボなど、ジャンルを横断した試みを行っています。
また、CEDEC登壇やクラウドファンディングなど、業界内外からの注目も高く、単なる配信にとどまらないバーチャルタレントの未来像を提示しています。
項目 | 内容 |
運営会社 | バルス株式会社 |
設立年 | 2017年 |
主な所属タレント | 銀河アリス、MonsterZ MATE(アンジョー・コーサカ)、夜子・バーバンク |
ディアステージ

ディアステージは、アニメ・ゲーム・アイドル・音楽といった“サブカルチャーの交差点”として、多様なタレントをプロデュースしてきた老舗エンタメ企業です。
でんぱ組.incや虹のコンキスタドールといったリアルアイドルの成功に加え、赤羽ユキノ・一文字マヤ・音羽雫らバーチャルタレントも展開し、2次元と3次元を行き来する独自のIP形成に取り組んでいます。
VTuberに関してはまだ規模こそ限定的ですが、アニソンや声優業界との結びつきが強く、音楽面に強いVTuber志望者にとって注目される存在です。
メジャーレーベルや企業タイアップ、グローバル展開も視野に入れた事業構想を持ち、今後の拡大に期待が寄せられます。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社ディアステージ |
設立年 | 2011年7月15日 |
主な所属タレント | 赤羽ユキノ、一文字マヤ、音羽雫 |
大手VTuber事務所5選
大規模な運営体制と世界的な知名度を誇る大手VTuber事務所を紹介します。所属タレント数やファン層の広さ、音楽・イベント・グローバル展開の実績など、業界を牽引する存在として圧倒的な影響力を持つ事務所ばかりです。
ホロライブプロダクション

ホロライブプロダクションは、カバー株式会社が運営する世界的なVTuber事務所です。日本国内だけでなく、インドネシアや英語圏にも展開しており、YouTubeを中心に多くの配信者が世界中で活動しています。
「ライブ感のあるエンタメ体験」を重視し、3Dライブ、音楽活動、コラボイベント、ゲーム実況など、多彩なコンテンツでファンを魅了。企業タイアップや大型イベント、グローバル戦略においても圧倒的な実績を誇ります。
特に、「アイドル×VTuber」という独自路線により、歌・ダンス・演出を融合させた“次世代アイドル”の在り方を確立した点が大きな特徴です。
項目 | 内容 |
運営会社 | カバー株式会社(Cover Corporation) |
設立年 | 2016年 |
主な所属タレント | ときのそら、白上フブキ、さくらみこ、宝鐘マリン、戌神ころね、星街すいせい ほか多数 |
にじさんじ

「にじさんじ」は、ライブ配信を軸に活動するVTuberグループの先駆け的存在で、個性豊かなタレントたちが多数所属しています。
最大の特徴は、タレントごとの自由な活動方針とコンテンツの幅広さにあります。歌・ゲーム実況・雑談・企画配信・アート・ASMRなど、ジャンルにとらわれず、それぞれの強みや興味に合わせた表現が可能な環境が整っており、他のVTuber事務所と比べても自由度の高さが際立っています。
また、所属人数が非常に多く、グループ内でのコラボも活発。日常的に行われる交流やイベントを通じて、ファン同士のコミュニティ形成も盛んであり、“推しが誰と絡むか”という視点でも楽しめるのが強みです。
項目 | 内容 |
運営会社 | ANYCOLOR株式会社 |
設立年 | 2017年 |
主な所属タレント | 加賀美ハヤト、フレン・E・ルスタリオ、夢月ロア、でびでび・でびる、叶、葛葉 |
774inc.

774inc.(ナナシインク)は、女性VTuberを中心とした複数のユニットを展開するバーチャルタレントプロダクションです。「有閑喫茶あにまーれ」や「ハニーストラップ」、「ブイアパ」など、それぞれ世界観やキャラクター性の異なるグループが所属しており、視聴者の好みに合わせて多様な楽しみ方ができる点が大きな魅力となっています。
各ユニットでは、雑談配信・ゲーム実況・歌枠・ASMRなど、活動ジャンルも幅広く、日常的な親しみやすさとエンタメ性のバランスが取れたコンテンツづくりを意識。個々のタレントが自分らしさを活かしながら活動できる環境が整っており、固定ファンの支持も厚い事務所です。
項目 | 内容 |
運営会社 | 774株式会社 |
設立年 | 2012年 |
主な所属タレント | 因幡はねる、堰代ミコ、風見くく、西園寺メアリ、杏戸ゆげ、宗谷いちか |
ぶいすぽっ!

「ぶいすぽっ!」は、VTuberとeスポーツの融合を掲げて2020年に誕生した、次世代型Virtual esportsプロジェクトです。「ゲームに本気で取り組む」をコンセプトに、配信者としての魅力だけでなく、プレイヤーとしての実力にも重きを置いた活動方針を取っており、VTuber業界の中でも異彩を放つ存在となっています。
所属メンバーはFPSやバトルロイヤル系タイトルを中心に、Apex Legends、VALORANT、Fortniteなどの人気ゲームで数々の実績を持ち、プロゲーマー顔負けのスキルを披露しています。配信スタイルも、ガチのランクマッチやスクリム(練習試合)に加え、カジュアルな雑談や歌枠など、多彩なジャンルをカバーしており、“競技性”と“タレント性”を両立している点が特徴的です。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社バーチャルエンターテイメント |
設立年 | 2020年 |
主な所属タレント | 花芽すみれ、花芽なずな、小雀とと、一ノ瀬うるは、胡桃のあ、橘ひなの |
.LIVE

.LIVE(どっとライブ)は、2017年頃より活動を本格化させたVTuber事務所で、バーチャルタレント黎明期を代表する存在である「電脳少女シロ」を中心に知名度を広げました。運営元は株式会社アップランドで、初期から3Dモデルによる配信技術や独自のキャラクター世界観に力を入れており、老舗ならではの安定感と丁寧なタレント育成方針が特徴です。
所属タレントは、全体的に落ち着いた雰囲気や清楚なイメージを持ちつつ、それぞれに強い個性や趣味性があり、「日常系配信」「ゆるいトーク」「独自の企画」などでファンと穏やかに交流するスタイルを大切にしています。
刺激の強いバラエティよりも、リラックスして楽しめる空気感を求める視聴者層に強く支持されており、“まったり配信”のVTuber活動を希望する人に向いている事務所といえるでしょう。
項目 | 内容 |
運営会社 | 株式会社アップランド |
設立年 | 2017年(VTuber活動開始年を基準) |
主な所属タレント | 電脳少女シロ、花京院ちえり、カルロ・ピノ、もこ田めめめ、神楽すず、ヤマト イオリ |
VTuber事務所に所属するメリット
VTuberとして活動を始めるにあたって、事務所に所属することには多くの利点があります。個人では難しいリソースやチャンスを得られる点が大きな魅力です。VTuber事務所に所属するメリットについて詳しく見ていきましょう。
機材・配信環境・イラスト提供など初期投資の負担軽減
VTuberとして活動を始めるには、パソコンやマイク、配信機材、モデル制作費(Live2Dや3D)など、数十万円〜百万円規模の初期費用がかかることもあります。こうしたコストは、個人で始める場合の大きなハードルとなりやすい要素です。
しかし、事務所に所属すれば、これらの費用の一部またはすべてを負担してもらえるケースが多く、金銭的な負担を抑えて活動をスタートできる環境が整えられます。なかには、配信機材の貸与や3Dスタジオの利用支援、キャラクターデザイン・モデリングの提供まで行っている事務所もあり、タレントが制作や準備に時間を取られず、配信活動に専念しやすい体制が整っているのが特徴です。
マネジメント・スケジュール管理・企業案件の獲得サポート
VTuberとして活動するうえで、配信そのものだけでなく、動画編集やSNS運用、コラボ調整、企業案件への対応など、日々の業務は多岐にわたります。特に一定の知名度がついてくると、スケジュール管理や外部とのやり取りに多くの時間を取られるようになり、一人での運営には限界を感じやすくなるのが実情です。
事務所に所属していれば、専属または専任のマネージャーがタレントの活動全体をサポートしてくれる体制が整っており、スケジュール調整、企業案件の交渉、コラボの仲介、収録やイベント参加の準備など、周辺業務を代行してもらえるメリットがあります。また、炎上リスクやトラブルが発生した場合にも、運営と連携して迅速な対応が可能なため、精神的な安心感も大きな支えとなります。
さらに、事務所によっては企業とのタイアップ企画や商品コラボ、CM・地上波番組への出演など、個人では実現が難しいメディア露出の機会を提供してくれるケースもあります。
宣伝・コラボ・大型イベントなどの露出機会が豊富
事務所に所属する大きなメリットのひとつが、プロモーションや露出の機会が圧倒的に多いことです。オーディションに合格すると、すぐに公式YouTubeチャンネルやSNS、プレスリリースなどでの紹介が行われ、ファンの目に触れる機会を早期に得られる点は、個人活動では得がたいアドバンテージといえます。
また、配信活動に加えて、オンライン・オフラインを問わず多くのイベントやライブ、商品企画、コラボ企画などが事務所主導で展開されており、所属タレントが自然と話題になりやすい土壌が整っています。
ゲームメーカーやアニメ作品とのタイアップ、音楽フェスへの出演、大型eスポーツ大会への参加など、活動の幅を広げられる場が豊富に提供されているのも大きな魅力です。
VTuber事務所に所属するデメリット
事務所所属には一定の制約や不自由さも伴います。自由な活動を望むクリエイターにとっては、慎重な判断が求められるポイントです。VTuber事務所に所属するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
収益分配が発生し、フリーより取り分が減る
YouTubeのスーパーチャットやメンバーシップ、グッズ販売、企業案件などによって得られる収益は、事務所所属の場合、一定の割合で分配される仕組みになっています。一般的には5:5や6:4、場合によっては7:3など、事務所側の取り分が高めに設定されることもあり、フリーで活動するよりも手取り額が少なくなる傾向があります。
また、ユニット活動やグループ運営が主軸となっている事務所の場合、収益が全体で管理・配分されるケースもあり、自分がどれだけ稼いだかを明確に把握しづらいという点がデメリットです。収益の透明性や分配ルールについては、契約前にしっかり確認しておくことが重要です。
活動内容やキャラクターに事務所の方針が反映される
事務所に所属する以上、ある程度は運営方針やブランドイメージに沿った活動が求められます。たとえば、全体として「清楚系」「日常系」「アイドル志向」「競技特化型」などの方向性を打ち出している事務所では、タレントにもその方針に即したキャラクター設定や配信スタイルが期待される傾向があります。
そのため、「もっと尖ったネタやユニークな企画をやりたい」「配信で自由に発言したい」といった希望があっても、事務所のイメージやリスク管理の観点から制限されるケースも少なくありません。
もちろん、事務所側もタレントの安全や長期的なブランディングを考慮したうえでの方針ですが、配信スタイルや表現の自由度を重視する人にとっては、やや息苦しさを感じる場面もあるでしょう。
契約期間や退所時の権利関係が制約となる場合がある
VTuber事務所に所属する場合、ほとんどのケースで専属契約や業務委託契約といった法的拘束力を持つ契約が結ばれます。これらの契約には一定の契約期間が設定されており、途中で退所を希望しても、簡単には辞められないことがある点に注意が必要です。
たとえば、契約期間中に一方的に活動を終了しようとすると、違約金の発生やクールダウン期間(一定期間の活動停止措置)などが盛り込まれている場合もあります。
特に人気が出てから辞めたいと思っても、契約に縛られて自由に動けないという状況に陥ることもあるため、事前に契約内容をしっかり確認しておくことが重要です。
さらに深刻なのが、キャラクターに関する権利関係です。立ち絵・名前・設定・Live2Dモデル・SNSアカウントなどが事務所に帰属しているケースでは、退所後にそのままの姿で活動を続けることができません。たとえ本人に熱心なファンがついていたとしても、「名前が使えない」「アカウントが引き継げない」「キャラのデザインを変えざるを得ない」といった形で、これまでの活動実績をリセットせざるを得ない可能性があります。
VTuber事務所の選び方
VTuberとして活動を始める際、「どの事務所に所属するか」はキャリアを左右する重要なポイントです。事務所の規模や方針によって、活動の方向性やサポート体制、収益分配の仕組みなどが大きく異なるため、自分の目指すスタイルと合致しているかを見極めることが欠かせません。
VTuber事務所を選ぶうえで確認しておきたいポイントを4つ解説します。
大手・中堅・新設の違いを理解する
VTuberとして活動を始めるにあたり、どのタイプの事務所に所属するかは将来の方向性を大きく左右します。大手・中堅・新設事務所にはそれぞれ異なる特徴があり、自身の志向やスキルに合った選択をすることが重要です。
以下の表では、事務所のタイプごとに「メリット」「デメリット」を整理し、比較しやすくまとめました。自分にとって最適な活動環境を見極めるための参考にしてください。
事務所タイプ | メリット | デメリット |
新設事務所 | ・運営との距離が近く、個別サポートが手厚い・メンバーが少なく、中心人物として活躍しやすい・コンテンツの自由度が高く、柔軟に発信できる・事務所の成長とともに自分も知名度を広げられる | ・知名度や実績が乏しく、ファン獲得まで時間がかかる・運営体制やルールが未整備なことがある・活動の安定性に欠ける場合もある |
大手事務所 | ・圧倒的なブランド力で注目されやすい・企業案件やメディア露出の機会が豊富・公式イベントやグッズ展開など大規模な活動が可能 | ・オーディション倍率が非常に高く、狭き門となる・所属タレントが多く、埋もれるリスクがある・活動内容が事務所方針に左右されることがある |
中堅事務所 | ・一定の知名度と安定性があり、活動しやすい・運営との距離感やサポート体制のバランスが良い・自由度と支援のバランスが取れている | ・個性を発揮するには工夫や努力が求められる・爆発的な拡散力や注目度は大手に比べてやや劣る・方向性が明確でない事務所も一部存在する |
このように、どの事務所にも利点と注意点があります。たとえば「ゼロから事務所と共に成長したい」という方には新設事務所、「安定した環境で経験を積みたい」という方には中堅事務所、「大舞台に挑戦したい」という方には大手事務所が向いているでしょう。
自身の目的や強みと照らし合わせながら、最も自分に合った選択をすることが、VTuberとして長く活躍するためのポイントです。
活動ジャンルの適性を確認する
事務所ごとに、力を入れているジャンルや得意なコンテンツは異なります。たとえば、ゲーム実況やストリーマー系に強い事務所もあれば、歌唱・音楽活動を重視する事務所、バラエティや雑談配信に特化している事務所も存在します。
自分が挑戦したいジャンルや、伸ばしたいスキルが事務所の方向性と合致しているかを事前に確認しておかないと、ミスマッチになり、思うような活動ができないこともあるでしょう。
契約内容・収益分配を確認する
事務所に所属すると、収益の一部を事務所側と分け合う形になりますが、その割合や条件は事務所によって大きく異なります。たとえば「スパチャの50%」「広告収入の70%」など、項目ごとに異なる分配率を定めているケースもあります。
また、契約には「最低契約期間」「退所後のキャラクター権利」「活動停止時の取り扱い」など、見落としがちな重要項目が含まれていることも。口頭説明だけでなく、文書化された契約書をしっかり確認する姿勢が必要です。
サポート体制・マネジメントの手厚さを確認する
配信機材の貸与、イラスト・モデリングの手配、編集・サムネイルの支援、案件の仲介など、事務所によって提供されるサポートは千差万別です。特にデビュー直後は右も左も分からないことが多いため、サポート体制が手厚いかどうかは重要な判断基準です。
また、マネージャーが個別に付くのか、タレント側から申請しないと動かない体制なのかなど、運営との距離感や対応スピードも事務所ごとに異なります。口コミやX(旧Twitter)での現役タレントの発信などから実情を探るのも有効です。
デビュー後の伸びしろ(案件・イベント・メディア展開)
デビュー後の活動は、事務所の影響力によって大きく左右されます。企業案件への参加、音楽イベントやフェスへの出演、メディアとのタイアップなど、外部との連携によって自身の露出や収益が一気に広がる可能性があります。
特に「3Dモデルの提供時期」「公式イベントへの出演機会」「メジャーデビューの支援」など、将来的な成長をサポートする仕組みがどの程度整っているかを確認しておくと安心です。「デビュー後も成長できる土壌があるか」は、長く活動を続けていく上で重要です。
VTuber事務所への入り方
VTuberとして事務所に所属するには、基本的に「オーディション」を通じて選考を受けるのが一般的です。ただし、事務所によって募集形式や審査基準が異なるため、自分に合った情報収集と準備が重要です。VTuber事務所への入り方について詳しく見ていきましょう。
1.オーディション情報を探す
まずは、所属を希望するVTuber事務所の公式サイトや公式SNS(XやYouTubeなど)で、オーディションの募集状況を確認しましょう。
「VTuber オーディション 2025」などで検索すると、現在募集中の事務所一覧やまとめサイトも見つかることがあります。
常時募集(随時エントリー可能)としている事務所もあるため、定期的な情報収集が大切です。
2.自分に合った事務所を見極める
事務所によって方針や求める人物像は大きく異なります。たとえば、以下のような違いがあります。
- 歌や音楽活動を重視している
- FPSなどのゲーム配信に特化している
- 清楚系・アイドル路線を打ち出している
- 雑談中心で自由度が高い
事務所ごとの特性をよく比較し、「自分の強みを活かせそうか」「長く活動できそうか」という視点で見極めることが重要です。
3.応募に必要な資料を準備する
オーディションの応募には、以下のような書類・データが求められるのが一般的です。
- 自己紹介や志望動機(文章または動画)
- ボイスサンプル(指定のセリフ・自由トークなど)
- 過去の配信経験やSNS活動のURL
- 活動スケジュールの希望(例:週3日配信可能 など)
未経験であっても、「こういう活動をしていきたい」「自分はここが強み」という明確な自己PRがあると、選考通過の可能性が高まります。
4.書類・一次審査を突破する
応募後は、まず書類選考や音声・動画審査が行われます。
この段階では、トーク力・声の雰囲気・リアクションの良さ・継続性などが総合的にチェックされます。
結果は数日から数週間以内に通知され、通過者には次のステップとして面談や課題の提出が求められます。
5.面談・最終審査に進む
一次審査を通過すると、面談(ビデオ通話)や模擬配信、企画プレゼンテーションなどが行われる場合があります。
ここでは「配信者としてどんな姿を見せられるか」「事務所と合うかどうか」といった実践的な観点で評価されます。
6.契約・デビュー準備
最終審査に合格すると、いよいよデビューに向けた準備が始まります。契約内容の説明を受けたうえで、キャラクター設定、配信環境の整備、収録練習などが進められます。
配信スケジュールやガイドラインの確認、デビューイベントの企画など、事務所と密に連携しながら本格的なスタートを切る準備が整っていきます。
VTuber事務所のよくある質問
「VTuber事務所ってどんなサポートをしてくれるの?」「未経験でも所属できる?」「辞めるときってどうなるの?」
VTuberとしての活動に興味はあっても、事務所に所属するとなると、気になることや不安は尽きないものです。
ここでは、これからVTuberとして活動を始めたいと考えている方や、オーディションに挑戦しようとしている方に向けて、VTuber事務所に関するよくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
未経験でも所属できる?
未経験からでもVTuber事務所に所属することは十分に可能です。実際、多くのオーディションでは「経験不問」や「初心者歓迎」と明記されており、過去の実績よりも今後のポテンシャルや人柄を重視する傾向があります。
重視されるポイントは、トーク力や個性、活動を継続できる姿勢、そして視聴者と丁寧に向き合う姿勢です。
たとえば、「声優志望で演技に自信がある」「ゲーム実況や歌が好き」「X(旧Twitter)やTikTokなどで発信経験がある」といった具体的なアピールポイントがあれば、実績がなくても十分に評価される可能性があります。
自分らしさを伝える工夫や、配信に対する熱意が伝わることが、合格への近道です。
顔出しは必要?
基本的にVTuber活動では顔出しは不要です。モデルの顔や動きはLive2Dや3Dアバターで表現されるため、リアルな容姿は一切公開せずに活動することが可能です。
ただし、収録用の顔トラッキングや音声収録にはWebカメラやマイクが必要になることが多く、本人確認の面で契約前に面接(オンライン)や身分証提出が求められるケースはありますが、それらの情報は事務所内でのみ管理され、視聴者に公開されることはありません。
副業・兼業は可能?
副業・兼業の可否は事務所ごとの契約内容によって異なりますが、近年は柔軟に認めている事務所も増えてきています。特に「学生や会社員との両立可」「週数回の配信でOK」といった条件で活動できる環境が整えられていることもあります。
ただし、配信時間やイベント参加に関する調整が必要な場合や、競業避止(他社の配信活動や広告出演を制限する条項)が含まれていることもあるため、契約時に確認が必要です。仕事や学業と両立しながら活動しているVTuberも実在し、事前にスケジュール管理の意向を伝えることが重要です。
活動に必要な機材や環境は?
VTuber活動には、以下のような最低限の機材や環境が必要です。
- PC(中~高スペック推奨)
- マイク(ノイズの少ないコンデンサーマイクが望ましい)
- Webカメラ(顔トラッキング用)
- 配信ソフト(OBSなど)
- 静かな配信スペース
事務所によっては、これらの機材を貸与・補助してくれる場合もあり、初期投資のハードルを下げて活動を始めることができます。また、イラスト(キャラデザイン)やモデリング(Live2D/3D)は事務所側が用意することが一般的ですが、一部持ち込み可能なケースもあります。
契約期間はどれぐらい?
VTuber事務所との契約期間は、一般的に 1年単位 で設定されていることが多いです。ただし、実際には事務所ごとに異なり、「初回は半年契約、その後自動更新」「最初から2年固定」といったパターンも存在します。
また、契約書には 更新時期・条件・途中解約の可否 などが記載されているため、事前によく確認する必要があります。とくに注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 更新前にパフォーマンス評価が入るケースがある(配信頻度、人気指標など)
- 活動休止や不祥事があった場合、契約解除となる条項がある
- 自主退所には1〜3ヶ月前の申請が必要なことが多い
長期契約を結ぶ場合は、「どのような条件で更新されるか」「どのような場合に契約解除できるか」といった、将来を見据えた観点から内容を読み解くことが大切です。
独立時の注意点は?
VTuberとして独立(事務所からの退所・卒業)する際には、いくつかの重要な注意点があります。とくに以下の3点は慎重な対応が求められます。
キャラクター権利の帰属
多くのVTuber事務所では、キャラクターデザインや名前、Live2D/3Dモデルなどの知的財産は事務所側に帰属しています。そのため、退所後に「同じ姿・名前で活動を継続する」ことは原則できません。独立後も同じキャラを使いたい場合は、事務所と事前に交渉が必要です。
チャンネルやSNSの引き継ぎ
YouTubeチャンネルやX(旧Twitter)などのアカウントも、基本的には事務所管理となっている場合が多いため、退所時に自動的に譲渡されるわけではありません。アーカイブ削除の有無や引き継ぎ条件も契約時に確認しておきましょう。
クライアントや案件の継続性
事務所を通じて得たスポンサー案件やタイアップ企画などは、独立とともに終了するケースが一般的です。信頼関係や実績があれば、フリーとして改めて声がかかることもありますが、事務所が交渉主体だった場合は、新たに契約を結び直す必要があります。
加えて、独立後は活動の全責任を自分で担うことになります。配信環境やトラブル対応、スケジュール管理も含め、すべてを自己完結できる体制を整えてからの決断が重要です。
自分に合ったVTuber事務所を選ぼう
VTuberとして活動していくうえで、「どの事務所に所属するか」は将来を左右する大きな選択です。配信スタイルや目指す方向性、どこまでサポートを求めるかによって、最適な事務所は人によって異なります。
VTuberとしての未来は、あなたの選択から始まります。焦らず、じっくり比較して、あなたらしい活動を実現できる事務所を選びましょう。